第6

章3-第6

 

聴:

 

 

カメとイノシシ

 

むかしむかし、カメはとても足が長くて背の高い動物でした。

 ある日の事、けものたちが集まって力比べを始めました。
 その頃、力が一番強かったのはイノシシです。
 だからイノシシはいつも大いばりで、力比べの場所に来ると、
「エヘン、エヘン」
と、偉そうにしていました。
 さあ、これを見てくやしくなったカメは、自分もイノシシの真似をして、
「エヘン、エヘン」
と、やりました。
 これを聞くと、イノシシはますます大きな声を出して、
「エヘッン! エヘッン!」
と、やりました。
 すると、カメも負けじと、
「エッへーン! エッヘーン!」
 イノシシも負けじと、
「エッヘーン!!! エッヘーン!!!」
 二人はにらみ合いましたが、カメが言いました。
「イノシシくん、ちょっと尋ねるが」
「何だい」
 イノシシが、長い首をカメに向けました。
 その頃のイノシシは今と違って、とても首が長い動物だったのです。
「きみは、少しばかり力があるのが自慢なんだそうだね。・・・まあ、ぼくにはかなわないだろうけど」
 カメが言うと、怒ったイノシシが、
「何だとー! 踏みつぶしてやる!」
と、カメを甲羅の上から押さえつけました。
 押さえつけられたカメも足をふん張って頑張っていたのですが、イノシシの力がよほど強かったのか、カメの足がギュギュギューと、だんだん短くなっていったのです。
 おまけに硬いカメの甲羅もメシメシメシーと、ヒビだらけになってしまいました。
 それでカメの足は、あのふん張ったような短い足になってしまい、硬い甲羅もヒビだらけになってしまったのです。
「へへーん。ざまあみろ!」
 勝ったイノシシは、うれしさのあまり勢い良く走り出しました。
 でも、よそ見をしていて前にあった大岩に激しく頭をぶつけてしまい、ギューーと、長かった首が縮んでしまいました。
 それでイノシシの首は、今のように短くなってしまったのです。

 

おしまい

 

ふりがな

 

聴: 

 

 

カメとイノシシ

 

むかしむかし、カメはとても足あしが長ながくて背せの高たかい動物どうぶつでした。
 ある
日ひの事こと、けものたちが集あつまって力ちから比くらべを始はじめました。
 その
頃ころ、力ちからが一番いちばん強つよかったのはイノシシです。
 だからイノシシはいつも
大だいいばりで、力ちから比くらべの場所ばしょに来くると、
「エヘン、エヘン」
と、
偉えらそうにしていました。
 さあ、これを
見みてくやしくなったカメは、自分じぶんもイノシシの真似まねをして、
「エヘン、エヘン」
と、やりました。
 これを
聞きくと、イノシシはますます大おおきな声こえを出だして、
「エヘッン! エヘッン!」
と、やりました。
 すると、カメも
負まけじと、
「エッへーン! エッヘーン!」
 イノシシも
負まけじと、
「エッヘーン!!! エッヘーン!!!」
 
二に人にんはにらみ合あいましたが、カメが言いいました。
「イノシシくん、ちょっと
尋たずねるが」
「
何なにだい」
 イノシシが、
長ながい首くびをカメに向むけました。
 その
頃ころのイノシシは今いまと違ちがって、とても首くびが長ながい動物どうぶつだったのです。
「きみは、
少すこしばかり力ちからがあるのが自慢じまんなんだそうだね。・・・まあ、ぼくにはかなわないだろうけど」
 カメが
言いうと、怒おこったイノシシが、
「
何なにだとー! 踏ふみつぶしてやる!」
と、カメを
甲羅こうらの上うえから押おさえつけました。
 
押おさえつけられたカメも足あしをふん張ばって頑張がんばっていたのですが、イノシシの力ちからがよほど強つよかったのか、カメの足あしがギュギュギューと、だんだん短みじかくなっていったのです。
 おまけに
硬かたいカメの甲羅こうらもメシメシメシーと、ヒビだらけになってしまいました。
 それでカメの
足あしは、あのふん張はったような短みじかい足あしになってしまい、硬かたい甲羅こうらもヒビだらけになってしまったのです。
「へへーん。ざまあみろ!」
 
勝かったイノシシは、うれしさのあまり勢いきおい良よく走はしり出だしました。
 でも、よそ
見みをしていて前まえにあった大岩おおいわに激はげしく頭あたまをぶつけてしまい、ギューーと、長ながかった首くびが縮ちぢんでしまいました。
 それでイノシシの
首くびは、今いまのように短みじかくなってしまったのです。
 

おしまい

 
 
 
 
 
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